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【読書】内海聡著「不自然な食べものはいらない〜お金より命を未来に残す〜」感想

不自然な食べものはいらない 内海聡 岡本よりたか 野口勲

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最近、うつみん書籍を一気に読み漁っているが、今回は内科医の内海医師と、自然栽培農業家の岡本よりたか氏、野口種苗研究所代表の野口勲氏の対談書き起こし本である。F1や遺伝子組換えなど、インターネットが成熟してきて一般認知されるようになってきたキーワードを、もっとわかりやすく理解するきっかけになる一冊。

Contents

内海聡著「不自然な食べものはいらない〜お金より命を未来に残す〜」感想

うつみん的には「命を生み出すもっとも崇高な職業とされるべき”一次産業者”」であり、正しい食に通じる活動家である農に関わる二人との対談。自然栽培、種苗研究科、医師、それぞれの視点から、遺伝子組み替え野菜や食品などの問題に切り込んでいく。個人的には、ずっと曖昧にしていた(←)有機栽培と自然農法の違いがはっきりとわかったのが収穫だった。

対談のトピックとしては、GMO問題と種や農に関する知恵や策などが中心。

  • 遺伝子組み替え(GMO)作物は消費者のためではなく、農家のために作られた
  • 遺伝子組み換え3大障害「がん」「アレルギー」「不妊」
  • お菓子の原材料はほとんどGMOかもしれない(砂糖/小麦粉/大豆粉/果糖ぶどう糖液糖/植物油脂/コーンスターチ/でんぷん/乳化剤)
  • 種は動物に食べられすぎると困るため体の中に毒性を持つ(例:大豆に火を通す/発酵させる)
  • GMO食品の「農業支配」
  • 自家採種の必要性「種は環境を記憶する
  • 農業と農協、医師と医師会の関係の相似点
  • ミツバチと食物連鎖、雄性不稔野菜の影響
  • 種のワクチン
  • 花粉症は「解毒行為」
  • 野菜への放射線照射の問題
  • 微生物が放射能の除染にも役立つ
  • 「減農薬」「特別栽培農作物」「有機農法」を鵜呑みにしない。有機農法の99%はF1の種を使用
  • F1の野菜で「美味しくなっている野菜は一つもない」
  • 調味料だけでも本物を使おう

など

 

食品表示の3つのカラクリ

食品表示には3つのカラクリがあるという。

  1. 「遺伝子組み換えでない」という表示分類
  2. 加工食品に使った際に、主な原材料とみなされない場合などで表示義務がなくなるカラクリ
  3. 家畜の飼料として使った場合にも表示義務がなくなる

 

1に関しては、表示の分類がある。

表示 意味
遺伝子組み替えでない 組み替え率5%未満
IPハンドリング(分別流通生産管理)している非遺伝子組み替え食品。
遺伝子組み替え不分別 組み替え率不明
IPハンドリングしていない。
遺伝子組み替え 組み換え率95〜100%
IPハンドリングしている遺伝子組み換え食品。

参照:不自然な食べものはいらない 24ページ

「分別流通生産管理」とは、栽培から流通、販売まで遺伝子組換えとそうでないものがまざらないように管理すること。運搬時のトラックや保管に使う倉庫も別のものをつかわなければならないため、コストがかかる。よって遺伝子組み換え表示のための分別流通生産管理はせず、「遺伝子組み換え」という表示は存在しない。結果、食品表示は「遺伝子組み換え不分別」と「遺伝子組換えでない」の二つだけになる。

「遺伝子組み換え不分別」は食品重量の95%まで遺伝子組み換えでもいいというものらしい。また、スーパーなどで「遺伝子組み換えではない」という表示があるものでも、5%は許容されているということだ。毎日摂取する食品などに、5%混入していた場合、積み重なればかなりの量になると想像できる。

 

遺伝子組み替え食品を避ける方法

遺伝子組み替え食品を避ける方法として、以下を上げている。

遺伝子組み替え食品を避ける方法
  • 牛肉・豚肉・鶏肉・鶏卵・乳製品を買う際:遺伝子組換え飼料を使用していない業者から購入する
  • 味噌・豆腐・醤油・納豆・なたね油を買う際:遺伝子組換えでないと記載しているものを買う
  • 食品添加物を避ける。コーン・大豆由来のものは要注意。果糖ぶどう糖・植物油脂・コーンスターチ・でんぷん・異性化糖・乳化剤・たん白加水分解物・醸造酢・酒精・アミノ酸・ビタミンB2・着色料・保存料の表記をなるべく避ける
  • 外食の際:ファストフード・大型チェーンのレストランを避ける

引用:不自然な食べものはいらない 151ページ

 

悲しいことに、豆乳でさえも遺伝子組換えの可能性がある。「社会毒」について知り、乳製品をやめるという知識がついて牛乳をやめようとする場合、代替えとして豆乳にする人も多いと思う。あのミルク感からどうしても離れられないという人は多いのではないだろうか。コーヒー屋でもミルクをソイミルクに変更えたりして、豆乳を使うわけだが、遺伝子組換えであるかどうかの確認はできない。また豆乳は、飲みすぎるとアレルギーを引き起こすことがある。

今はローフードのアーモンドミルクが一般化してきたようだが、スーパーで販売されているものはやはり「混ぜ物」が多くGMOかどうかの判断がしにくい。自分で作る方法は手間がかかるが、ローフード方面を調べれば出てくるので、自分でも作ってみるといいと思う。

遺伝子組み替え食品を避けることはそんなに難しくない、と述べられているが、TPPや法改正の影響で、原材料の表記が曖昧になることで、特に大手から発売される加工商品に関しては、原材料を見ただけでは判断が難しくなると思う。今のうちに、信頼ができる業者を見つけておくことや、本物を扱うお店をいくつか見つけておいて、そこで購買するというのは一つの案である。

 

GMO食品かどうかを質問するときの方法

また、メーカーに直接問い合わせをする、というのも一つの具体的な回避方法であり、企業に消費者の声が届く手段でもある。本書には、問い合わせをする際の注意点として

「遺伝子組み換え食品を使用していますか?」→していません、

と言われたら終わりなので

「御社は、遺伝子組み換え食品使用の際に、分別流通生産管理(IPハンドリング)をやっていますか?」と質問する

GMOに詳しい担当でなければわからないので、担当に確認する、となるはずなので質問してみよう、とある。

直接問い合わせをすることで、消費者がメーカーに聞いていくことで担当者に声が届く可能性がある。消費者のNOが生産者、お店、外食産業に関わる人を動かしていくのだ。

安全な野菜を手に入れる方法

安全な野菜を手に入れる方法として有名なところでは以下が紹介されている。

 

他に、有機農法などの詳細や値段が気になるようであれば「自然栽培をしている農家から直接購入する」ことがあげられている。インターネットで独自に販売している農家を探したり、キママクラブのような活動をしている人から買うという方法もある。

 

種の種類

野菜については、岡本よりたか氏の別の本にも詳しく書いてあるが、野菜の色や形は”品種改良”されすぎて、元の形を保っていないものも多いという。まずは自分でも庭やベランダで家庭菜園して自家採種してみることも勧められているが、初心者が困るのは「種」の見分け方ではないだろうか。種の種類は3つあることを覚えておこう。

固定種(在来種) 昔からある種。味や形などの形質が固定され品種として独立。農家で自家採種を繰り返したものを「在来種」と呼ぶことも。この種由来の野菜はスーパーなどでは滅多に売られていない。
F1種(交配種、一代雑種) 異なる性質の種を、人工的に掛け合わせて作った雑種の1代目。次世代から姿形がおかしなことになるため、農家は毎年種を買わなければならない。現在通常の野菜はF1種。
GMO種 人工的に別の生物の遺伝子を組み込んで作る。特許で守られているため自家採種してはいけない。日本ではまだ作られていないがGMO作物の輸入は多い。

 

自然の種は一粒で万倍できる「一粒万倍」、GMO種はできない。そしてF1種といえば「若杉ばあちゃん」こと若林友子氏の本でも度々注意喚起されていた「雄性不稔」=ミトコンドリアの異常・植物の不妊=自分の力で子孫を残せない野菜ができる。固定種の野菜と、それ以外の野菜では味に雲泥の差が生じる。

F1=雄性不稔=”タネ”なしの野菜を食べている人間は、”タネなし”の影響を受けているのではないか?と気づくだろう。昨今の不妊率は異常で、人口は減り続けている。

自然栽培=自家採種は基本とのことだが、現在TPPに参入してしまったことで、自家採種に規制がかかることが危惧されており、種が危ない状況にある。とはいえ、某エリートが行っているようなタネの冷凍保存は、実際には意味がないらしい。

また、固定種で自然栽培や無肥料無農薬で育った野菜は種を残すために「枯れた」が、有機栽培の野菜はドロドロに「腐った」という話。肥料の上げすぎも問題になる。野菜は腐るのが当たり前だと思っていた都会暮らしの自分が怖い。。。

固定種の野菜は形も大きさもバラバラではあるが、味が濃くて生命力を感じる美味しさだという。

個人でも固定種の野菜が消えないよう、各家庭で固定種を引き継いでいくことができれば、それは次世代への「資産」になる

 

野口勲氏と手塚治虫の漫画

余談ではあるが、野口氏は種苗販売店の三代目であり、固定種の種を扱う専門店「野口のタネ/野口種苗研究所」の代表であるが、手塚治虫「火の鳥」の初代担当編集者で、手塚漫画から得た「命の尊厳」が思考の根本にあるそうだ。漫画が好きで、ブッダをはじめとする手塚漫画に親しんだ自分としては、共感するだけでなく、手塚漫画の偉大さと彼の発信したものが実際に命を守る活動に繋がっていることが、素晴らしいとしか言いようがなく、感銘を受けた。

おわりに

遺伝子組み換えや放射能汚染の問題は、特に解毒能力が未熟な子供にとって大きな影響がある。おそらく免疫力が低下している大人にも影響があるだろう。しかし、食などの問題に過敏になりすぎて、大事なものを見失うという視点があることも忘れずに。

どちらの視点も感じて、みてみること。

これまでいくつかの内海医師の本を読んできたが、全てが繋がっている、と思った。多くの人間にとって身近で、切り離せない「食」の問題は、たどっていけば日本の社会、世界の問題に繋がっている。そしてそれは人類の問題である。

多くの日本人は当事者意識が低く、知識が浅すぎるため、意図的に知らされていないことを自ら知る努力をしなければならないように思う。今や自分で調べればある程度のところまで行き着く情報化社会で「わからない」という言葉は「逃げ」である。

わからないならわかるように発信している人を見つけよう。すでにリーダーシップをとって活動している人をフォローしてみることから始めたらいい。時間を見つけて本を読んでみたり、講演会に行ってみたりしてもいい。

 

毎日、自分は何を選択しているか?

誰を支持し、どんな未来を望むのか?

全ては日々、個人に選択権がある。

 

「何気なく購入」しているその行為が、たどっていけば、世界を動かしているという発想を持つこと。

本書は「多くの消費者から『遺伝子組み換え食品でないものが食べたい』という声が届けば、企業は消費者の声を聞かざるをえなくなる」と述べてる。

おカネより命を未来に残す

おカネを何億円子孫に残しても、いつか紙切れになるかもしれない。そんな紙っぺらを大事にするよりも、本当は畑と、自分で自家採種した種を子供に残し、未来の社会に残していく方がよっぽど価値があると思います。(略)

カネがなくても濃密に次世代とのやりとりをやっていくという行為が全ての動物の基本中の基本なのです。

引用:不自然な食べものはいらない 158ページ

 

「不自然なもの」を大量にカゴに詰めてレジに行列する日曜日のスーパー。

買い物は「応援」であり「選挙」のようなものだという自覚を持って、購買を選択する人が増えて欲しいと願う今日この頃であった。

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